ITジョグ

客先常駐の派遣社員、会社員からフリーランスのITエンジニアへの転身

クライアント先(客先)で常駐して働いている派遣社員・会社員のITエンジニアから、フリーランスのITエンジニアへの転身はありなのか?メリットやデメリットについて話しています。フリーランスのITエンジニアに興味があったり、なる事を検討しているけど、不安や迷いがある方、フリーランスは自分には敷居が高いのではないかと感じている方は、参考にしてみてください。

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客先(クライアント先)常駐のITエンジニアの様々な雇用形態

最終更新日:2022/7/22

ITの開発業務は、プロジェクトチーム単位で動きます。チーム内のメンバーには、PM、SE、プログラマ、デザイナ、インフラ系のエンジニア、テスタなどの様々な職種の人がいるわけですが、チームメンバーの所属する企業や雇用形態は、バラバラのケースもあります。

雇用形態は正社員や派遣社員などであり、自分の所属する企業や派遣会社から客先(クライアント先)へ常駐し、そこで開発プロジェクトチームに入って仕事をします。そして、同じように開発プロジェクトチームに入って仕事をするフリーランスのITエンジニアもいます。

フリーランスのITエンジニアは個人事業主ですので派遣社員や会社員とは違い、どこの企業にも所属していません(所属はしていないけど、営業活動をエージェント企業に代行してもらい、客先を紹介してもらっている人が結構いると思います)。

エージェント企業については別ページでも詳しく書いていますので、そちらも参考にしてみてください。
フリーランスのITエンジニアにとってエージェントとは?

フリーランスへ転身するメリットとデメリット、収入面(商流の深さとマージン)

同じように客先に常駐して同じチームで仕事をするなら、派遣・正社員とフリーランスとではどちらが良いのでしょうか?
メリット・デメリットについて、話していきたいと思います。

フリーランスのメリットですが、まずは報酬(収入)です。実際、エージェント企業のレバテックフリーランスのアンケート結果によると、フリーランスを始めた理由の1位は、収入を増やしたかったからです。
フリーランス700人に聞いた!IT業界の収入やキャリアに関する5つの質問

収入面で差が出る要因の1つは、商流の深さと客先が支払う報酬に対するマージン率(中間マージン、手数料)です。派遣・正社員の場合、企業が年金や保険を折半して支払ってくれたり、交通費などの経費も会社が負担してくれるとは思いますが、それを加味してもフリーランスの方がマージン率は低いケースが多いと思います。

また、商流に関してですが、商流が深いほど間に入る企業や派遣会社が増えるので、その分マージンも多く取られてしまいます。一般的に、営業力が弱い企業や派遣会社の方が商流が深くなります。そしてこの商流は、自分の所属する企業や派遣会社が決めてしまうケースが多いので、派遣社員や会社員が自分で商流をコントロールするのは難しいです。

フリーランスの場合、この商流の深さとマージン率の2つをある程度自分でコントロールする事が可能なので、その分が自分の収入面のアップに結びつきます。

フリーランスのITエンジニアが仕事(客先)を探す時、エージェント企業に営業活動の協力をお願いするパターンが多いですから、エージェント企業に営業活動の対価としてマージンを取られるのは当然です。ただ、良いエージェント企業であれば低マージンになるはずです。

また、エージェント企業に営業活動を頼む際の条件として、間に他のエージェント企業を挟まないでほしい、クライアント先企業(客先企業)の直請案件(元請案件、一次請案件)を紹介してほしいという希望を伝えれば、商流の深さを抑える事ができます。

クライアント先の直請案件を紹介してもらえば、マージンを取られるのは営業活動をお願いしたエージェント企業1社だけになるので、そこはこだわった方が収入面を考えても良いと思います。

(広告)レバテックフリーランスは、フリーランスのITエンジニアに特化したエージェントサービスで、案件数が豊富、低いマージン、高報酬案件、コーディネーター(エージェント)の丁寧な対応やフォローの充実などを特徴としています。

その他のフリーランスのメリットとデメリット

その他のフリーランスのメリットですが、会社員と比較した場合、興味のある仕事をプロジェクト案件単位で選ぶ事ができるので、自分で方向性を決める事ができます。

どんな業務のプロジェクトをやりたいか、また、どんなプログラミング言語や技術を使うプロジェクトをやりたいかなどの希望をエージェント企業の人に話して相談してみれば、良いエージェントであれば一緒になって考えてくれると思います。

他にも、週5日フルで入るのではなく週3日・週4日の勤務をしたい、私服勤務が可能の現場がいい、在宅などのリモートワーク案件がいいなどの希望もあれば伝えてみましょう。
(*希望だけでなく、反対にNG案件や客先などもあれば、これも早いうちに伝えておきましょう。)

もちろん、エージェント企業の協力だけでなく、実際にそういう客先(案件)があるかどうかやタイミングの問題もありますし、新しい技術などに挑戦したいなら自分の努力や準備も必要です。

一方、これが会社員の場合、会社間の付き合いや売上などの会社内の都合で、一方的に常駐先を言われるケースが多いと思います。そして、恐らくこのプロジェクトへ行ってくれと言われたら"ノー"とは言いにくいでしょう(素直にノーと言えて、その後もギクシャクしないような会社であれば全然良いのですが)。

フリーランスのITエンジニアのメリットをいくつか書きましたが、見返すとどれもエージェントの協力は必要です。どんなエージェントと付き合うかはフリーランスのITエンジニアにとって重要だと思います。エージェント選びに関しては別ページでも書いていますので、そちらを参考にしてみてください。

フリーランスのITエンジニア専門のエージェント企業の紹介
フリーランスのITエンジニアのためのエージェント選び

あと、客先常駐の派遣社員や正社員に対してフリーランスのデメリット・不利な点についても触れておきます。
フリーランスは個人事業主ですので、確定申告や保険の加入は自分でやらなければならないので、その手間がかかります。正社員の場合、このあたりは企業がすべて面倒を見てくれるので、気にかける必要はないでしょう(ただ、確定申告などのやり方についての情報はたくさんありますし、全然難しい事ではないと思います。やってみれば、意外とあっさりできるはずです)。

上でも少し書きましたが、フリーランスの場合、確定申告での税金の支払いや健康保険や交通費などの経費などは自分で負担する事になりますが、その分を考慮してもフリーランスの方が報酬が高くなるケースはあると思います。

他のデメリット・不利な点ですが、常駐している正社員や派遣社員の人は、自分と同じ所属会社の人が他にも何人もいると少しは気が楽かもしれません。一方、フリーランスは所属という意味では一人です。ただ、これに関しては気持ちの問題ですので、デメリットとか不利だとかは言えないかもしれません。

ほとんどないとは思いますが、客先に常駐しているエンジニアが、フリーランスか会社員かで扱いが違うようなら、そもそもそのプロジェクトチームの人間関係に問題がありそうなので、エージェントに相談してその現場自体を変える事を検討した方が良いかもしれません。

最後に

上で書いてきたフリーランスのメリット・デメリットを見直してみると、個人的にはフリーランスの方がかなりメリットが大きいと思います。 ただ、上で書いたメリット・デメリットは、あくまで客先常駐の会社員・派遣社員のITエンジニアとフリーランスのITエンジニアの場合です。

客先常駐以外にもITエンジニアの働き方はいっぱいあります。むしろ、ITシステムやサービスを自社で企画・開発している企業のエンジニアをやりたいという人の方が多いでしょう。そういう企業に勤めたいと考えるなら、もちろん目指すべきだと思います。

ただ、SES企業やSIer企業に勤めていてその企業の営業力が弱く、その結果商流が深くなり中間マージンを多く取られながらも客先常駐で働いているのなら、現場で働いているITエンジニアに正当な対価が支払われていない可能性があります。その場合、フリーランスのITエンジニアの方が収入面・自由さなどの面でメリットが大きそうなら、フリーランスへの転身を検討しても良いのではと考えます。