PyCharm(Community版)をバージョンアップしたら、起動時にエラーが発生して起動できなくなってしまったので、その時に試した事や解決方法について書いています。
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PythonのIDE(統合開発環境)のPyCharm(Community版(フリー・無料版))を使用していて、軽い気持ちでPyCharmをバージョンアップ(アップグレード)したら、バージョンアップは問題なくできたけど、PyCharm起動時に「アプリケーション"PyCharm CE.app"を開けません。」というエラーが発生してPyCharmを起動できなくなるという問題が発生しました。
という事で、このページではこのエラーが発生した時に試した事、解決方法や、PyCharmの日本語化について説明しています。
■動作環境とバージョン情報です。
OS:macOS Big Sur(バージョン11.7)
PyCharm:Community版、2021.1.1から2022.2.2にバージョンアップしたら問題発生
まず、PyCharm使用中に上部メニューバーの「PyCharm->Check for Updates...」を選択して、PyCharmを2021.1.1から2022.2.2にバージョンアップしてみました。
バージョンアップ自体は問題なくできたけど、バージョンアップした後にPyCharmを起動してみたら、起動時に上でも説明したエラーウインドウが出て起動できなくなってしまいました。
ネットで少し調べてみたら、私のPyCharm環境はPleiadesプラグインで日本語化していたのですが、どうやらPyCharmをバージョンアップしたけど、Pleiadesプラグインは古いままなのがエラーの原因である事がわかってきました。
pleiadesプラグインの読み込みはPyCharmのVMオプションの設定ファイル(pycharm.vmoptions)でしているのですが、このファイルのパスと中身はこうなっています(パスの"PyCharmCE2022.2"の部分は、バージョンによって異なると思います。また、"-javaagent"の行のhogeuserはユーザ名です)。
$ cat ~/Library/Application\ Support/JetBrains/PyCharmCE2022.2/pycharm.vmoptions
-Xmx1024m
-javaagent:/Users/hogeuser/Library/Application Support/JetBrains/PyCharmCE2021.1/jp.sourceforge.mergedoc.pleiades/pleiades.jar
"-javaagent"の行でpleiades.jarを読み込んでいますが、ディレクトリパス内に"PyCharmCE2021.1"があり、明らかに古いバージョンのままなので、この行をコメントアウト(行頭に#を付ける)して無効にします(もしくはこの行を削除しても良いと思います)。
$ cat ~/Library/Application\ Support/JetBrains/PyCharmCE2022.2/pycharm.vmoptions
-Xmx1024m
#-javaagent:/Users/hogeuser/Library/Application Support/JetBrains/PyCharmCE2021.1/jp.sourceforge.mergedoc.pleiades/pleiades.jar
これでPyCharmを起動したら、問題なく新バージョンのPyCharmを起動できるようになりました!
ただ、pleiadesプラグインを無効化したので、英語版のPyCharmになっています。ですので、日本語化するために再度pleiadesプラグインをインストールし直してみる事にしました。
pleiadesプラグインのインストールによる日本語化については別ページで説明していますが、結局pleiadesプラグインだと上手くいかなかったし、 Pleiades配布元としても非推奨となったようなので、JetBrainsの日本語言語パックプラグインで日本語化した方が良いかもしれません。日本語言語パックプラグインについては、この後の日本語言語パックプラグインでPyCharmを日本語化で説明しています。
pleiadesプラグインをインストールし直したので、再度PyCharmを起動してみたら、また起動時に同じエラー(「アプリケーション"PyCharm CE.app"を開けません。」)が発生して起動できなくなりました。
VMオプションの設定ファイルの中身を確認してみます。
$ cat ~/Library/Application\ Support/JetBrains/PyCharmCE2022.2/pycharm.vmoptions
-Xmx1024m
#-javaagent:/Users/hogeuser/Library/Application Support/JetBrains/PyCharmCE2021.1/jp.sourceforge.mergedoc.pleiades/pleiades.jar
-Xverify:none
-javaagent:/Users/hogeuser/Library/Application Support/JetBrains/PyCharmCE2022.2/jp.sourceforge.mergedoc.pleiades/pleiades.jar
2行追加されていて、最後の"-javaagent"の行でpleiades.jarを読み込んでいて、pleiades.jarのファイルパスに"PyCharmCE2022.2"があるので、PyCharmのバージョンに合わせてpleiades.jarもバージョンアップされているので問題ないように思うのですが、PyCharmを起動できなくなりました。
ちなみに追加された2行をコメントアウトして無効化すれば、PyCharmを起動する事はできます(ただし、英語版のままですが…)。
$ cat ~/Library/Application\ Support/JetBrains/PyCharmCE2022.2/pycharm.vmoptions
-Xmx1024m
#-javaagent:/Users/hogeuser/Library/Application Support/JetBrains/PyCharmCE2021.1/jp.sourceforge.mergedoc.pleiades/pleiades.jar
#-Xverify:none
#-javaagent:/Users/hogeuser/Library/Application Support/JetBrains/PyCharmCE2022.2/jp.sourceforge.mergedoc.pleiades/pleiades.jar
このエラーについて調べたり考えたりしましたが、私は解決策が解らなかったし、他にも日本語言語パックプラグインで日本語化できるので、結局pleiadesプラグインによる日本語化は諦める事にしました。
PyCharmの日本語化の方法は、Pleiadesプラグインの他に、JetBrainsの「Japanese Language Pack/日本語言語パック」プラグインでもできます。
という事で、日本語言語パックの方で日本語化してみます(Pleiades配布元としてもPleiadesによる日本語化は非推奨としているので、日本語言語パックの方が良いと思います)。
英語版のPyCharmを起動して、PyCharmのPreferences(環境設定)画面を開きます(Preferences画面は上部メニューバーから「PyCharm->Preferences...」を選択して開く。ショートカットなら"Command+,")。
Preferences(環境設定)画面を開いたら、左サイドバーでPluginsを選択して、Marketplace(マーケットプレイス)の検索窓で"japan"と入力すると、「Japanese Language Pack/日本語言語パック」というプラグインが出てくるので、Installボタンを押してインストールします。
インストールが完了したら、PyCharmを起動し直します。これでPyCharmが日本語化されました!
PyCharmを英語版に戻したい時は、先程の環境設定(プラグイン)画面の"インストール済み"タブを押すと、日本語言語パックがあるのでそのチェックを外せばいいだけです。チェックを付けたり外したりすれば、日本語版/英語版を簡単に切り替える事ができます。