Gitはプログラマとして働くなら必須のツールですが、個人で(独学で)プログラミングをする時もとても便利なツールです。ここでは、1人でプログラミングやウェブ・アプリ開発をしているけど、Gitを使った経験がないという人に向けて、Gitを使う事のメリットや恩恵などについて説明しています。
ITの開発企業でプログラマ・Webデザイナ・インフラ系エンジニアなどのITエンジニアとして仕事をするなら、Gitの知識やスキルは必須になってくると思います。
理由は単純で、複数人の開発チームで共同作業をするのに、Git(GitHub)が非常に便利で素晴らしいツールなので、ほぼどの企業でもGitを採用しているからです。
しかし、Gitはチーム開発で共同作業をする時だけでなく、個人で(一人で)プログラミング開発をする時も、非常に便利で使えるツールです。
ただ、Gitはチーム開発で使われるツールというイメージが強いため、個人や独学で趣味・勉強のためにプログラミングをしたり、ウェブサイト(ウェブサービス)を作っている人は、はなからGitを使う必要がないと考えて、使わず嫌いをしている人も多いと思います。
ここでは、そんな個人でプログラミングやウェブ制作やアプリ開発をしているけど、Gitを使った経験がないという人に対して、Gitとは何か?Gitを使う事によるメリットや便利さなどについて書いていきます。
このページを読んで、今までGitを使った事がなかった人が、Gitに興味を持ち、Gitを使い始めて、より効率よく生産的なプログラミング開発ができるようになってくれたら良いなと考えています。
そもそもGitとは何かですが、Wikipediaではこう説明しています。
Gitは、プログラムのソースコードなどの変更履歴を記録・追跡するための分散型バージョン管理システムである。
(引用元:Git - Wikipedia)
「プログラムのソースコードなど」と書いてありますが、これは様々なプログラミング言語のソースコードだけでなく、ただのテキストファイルや画像ファイルなども管理対象になります。
ですので、iphoneやandroidアプリを開発する時や、ツールやウェブサービス(ウェブアプリ)などのソフトウェアや、ウェブサイト(サーバサイドのソースファイル、HTML、CSS、javascript、画像)を作る時などに、Gitを利用する事ができます。
「変更履歴を記録・追跡するため」と書いてあるのは、プログラミングをして何かを開発する時に、変更履歴を残しておきたい、また、開発しているソフトウェアに何か機能追加や変更を加えて、その変更がやっぱり不必要だった場合、過去の変更履歴を見ながらソースファイルを元の状態に戻すという事ができます。
そして、「分散型バージョン管理システム」の分散型というのは、Gitはソースコードを複数人、場合によっては何十人、何百人のITエンジニア(開発プロジェクトのチームメンバー)で共有して、共同開発をする事を目的としたシステムという事です。
仕事で何かを開発する場合、大体チームで開発する事が多いと思いますが、複数人でソースを共有して変更を加えたりする時に、変更が上書きされないようにして、全員の変更分がしっかり共有されるように管理するためにGitが使用されます。
このGitですが、恐らく、ほとんどのIT開発企業で使われているはずです(仕事以外でもチーム開発で共同作業をするなら、Gitが使われているケースが多いと思います)。
ですのではっきり言って、仕事でIT開発をしているプログラマ・Webデザイナ・インフラ系エンジニアにとって、Gitは必須のツールですし、仕事以外で個人でプログラミングをしている人も、将来企業でITエンジニアとして働くなら、Gitのスキルは必ず要求されるはずです。
もしもフリーランスのITエンジニアになる事を考えているなら、最初に客先にGit(Github)の経験がない、使った事がないと言っただけで、門前払いを食う可能性も十分あります。
近年は特に、リモートワークやテレワークという働き方が進んでいるため、ネット上でソースを共有できるGit(Github)は、さらに重要で必須のツールになっていくでしょうから、ITエンジニアも当然のようにGitの経験が必要になると考えられます。
Gitは、チーム開発する時にソース共有やバージョン履歴などを管理するために使われる分散型バージョン管理システムだと上で書きましたが、個人で(1人で)趣味や勉強でプログラミングをする時や、ウェブ制作やアプリ開発をする時も、使ってみる事をお勧めします。お勧めする理由はシンプルで、Gitが非常に便利なツールだからです。
Gitは変更履歴を記録・追跡する機能がありますが、個人で開発する時もこの変更履歴を管理できる事は便利です。
簡単に開発物のバックアップをとる事ができるので、安心してソースコードを変更したり、新機能の追加開発をする事ができます。
もし仮に、変更や追加開発した部分に不満があったとしても、Gitを使っていれば簡単にソースを元の状態に戻す事ができます。
また例えば、ウェブサービスやウェブサイトを個人で開発していて、開発物(ソースコード)をサーバにアップしてネット上に公開している場合、自分の開発パソコンとサーバの両方にGitを入れておけば、Gitで簡単にソースコードをサーバに転送する事ができますし、サーバ上にソースコードのバックアップをとっておける事になるので、自分のパソコンが壊れてしまった時の心配をする必要もなくなります。
ですので、Gitの事は知ってるけど、Gitはチームで共同開発をするためのツールで、自分は個人で趣味や勉強のためにプログラミングをしているだけだからGitは必要ないと考えて使わず嫌いだった人も、一度Gitを試してみてはどうでしょうか。Gitは1人で使う場合も大きなメリットがあるので、試しに使ってみる事をお勧めします。
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現状、個人でプログラミング開発やウェブ制作をしているけど、将来は仕事でプログラミングやウェブ開発・アプリ開発をやりたいと考えているなら、なおさらGitを使う事、スキルセットとして持っておく事をお勧めします。
個人で開発している時にGitをある程度使えるようにしておけば、将来企業に入ってチーム開発する時に、自分で勉強したGitのスキルはそのまま役立つはずです。
もちろん、仕事を始めてからGitを使う必要に迫られてGitをイチから勉強するでも良いと思いますが、Gitは個人でも使うメリットがあるわけですから、それなら今のうちにGitが使えるようになっておいた方が得だと思います。
次に、GitHubやBitbucketについて少し話しておきます。GitHub、Bitbucketはどちらも、Gitをベースにしたウェブサービスです。
Gitは基本的にコマンド操作で使いますが、チーム開発で共同作業をする場合はコマンドだけだと不便な事が多いので、Gitをラップしてウェブサービスとして使えるようにして、さらに便利な機能(プルリクエストやコードレビューやその他色々)を追加したサービスがGitHubです。
GitHubは、コマンド操作と比較して可視化しやすいので、大人数でチーム開発をしていても、ソースコードの品質向上やプロジェクト管理の効率アップなどのメリットがあります。
ですので、GitHubやBitbucketは、仕事でチーム開発をする場合、多くのプロジェクトで使われています。恐らくGitHubの方が多く使われていると思いますが、少なくともどちらかが使われているでしょう。
それなら個人でプログラミング開発をする時も、GitHubを使っておいた方が良いかというと、これは特にどちらでも良いかなと思います。個人的には無理して使う必要は全くないと思います。
上でも書きましたが、個人で開発しているなら、とりあえずGitだけでも使えるようにしておいて、プログラマやウェブ制作者として仕事をする事になりそうだったら、その時にGitHubの使い方などを調べて使おうとしても十分間に合うと思います。
GitHubはGitをベースにしたウェブサービスなので、Gitさえある程度使いこなせていれば、GitHubも割と簡単に使えるようになるはずです。 逆を言えば、Gitをまったく知らないと、GitHubは何のこっちゃの状態になってしまうと思います。そういう意味でも、Gitだけは使えるようにしておくと、将来プログラマなどのITエンジニアとして働くなら後々必ず役に立つはずです。
Gitの始め方ですが、Gitはフリーのツールなので、自分のパソコン(Windows,Macどちらでも)にインストールすれば、無料で使い始める事ができます。
インストールしたら、あとはGitのコマンド操作を覚えて使えばいいだけです。コマンド操作を覚える必要があるので多少の学習コストがかかりますが、それ以上にGitを使う事によるメリットや恩恵が大きいので、是非少し頑張ってGitを勉強して試してみてください。
このページは、Gitを使わず嫌いしている方にGitは便利なので使ってみてはどうでしょうかと勧めているだけなので、Gitのインストールやコマンド操作についての説明は書きません。
Git初心者や入門者向けに、Gitの導入から使い方について丁寧に説明している本やサイトは多くありますので、Gitに興味を持って使ってみようと考えている方は、そちらを参考にして頂ければと思います。
ただ、Gitのコマンドはたくさんあって、それをすべてマスターしようとするのは学習コストが多くかかってしまうので、個人で自分のパソコンでプログラミングをしてGitを使う場合、知っておいた方が良いコマンドを書いておきます。
とりあえず、これだけGitのコマンドを使えれば、個人でもGitの便利さのメリットを相当受けられるはずです。
あと、サーバにもGitを導入して、自分の開発PCからサーバへソースコードを転送するなら、他に"git remote"、”git clone"、"git push"、"git pull"などのコマンドが必要になると思います。
また、gitでよく使うコマンドの使用例については別ページで説明しているので、そちらを参考にしてください。
Gitでよく使うコマンドやオプション
サルでもわかるGit入門
Gitの超入門書です。初めてGitの使い方を学習する人向けの本で、文章による説明だけでなく、図解を豊富に使っているので、とても理解しやすい入門書です。PC環境はWindows/Macです。Gitのコマンドについてだけでなく、SourcetreeやBacklogというツールも使っています。
GitHub実践入門──Pull Requestによる開発の変革 WEB+DB PRESS plus
GitHubの入門書です。GitHubも使ってみたいという方向けの本です。GitHubの使い方だけじゃなく、Gitの基本的なコマンドについても説明も書いてあるので、Git自体が初めての人でも読める本です。
Gitの共有リポジトリを使うにはGitHubという便利なWebサービスもありますが、gitコマンドを使えればLinuxサーバやクラウド環境などの各サーバ上でgitの共有リポジトリ(bareリポジトリ)を自分で自由に作る事ができます。
自分でサーバ上にgit共有リポジトリを建てれれば、ソースの共有・バージョン管理だけでなく、バックアップなども簡単なgitコマンド操作などでできるようになるので、個人で(独学で)プログラミングをしてソースを残しておきたい人にとっても便利だと思います。
別ページでAWSのec2、さくらのレンタルサーバ、vagrant仮想マシン上でのgit共有リポジトリの建て方・使い方について説明しているので、興味のある方はよければ参考にしてください。
ec2、さくらのレンタルサーバ、vagrant上にgit共有リポジトリを作る
また、Java開発環境のEclipseでSpring Bootアプリをgitコマンドで管理する方法についても別ページで説明しているので、よければ参考にしてください。
EclipseのSpring BootをGitで管理する。更にリモート環境でGit共有リポジトリ管理も
以上簡単でしたが、Gitとは何か?そして分散型のチーム開発(共同作業開発)で使われるGitが、個人でも便利なツールである事について説明してきました。
これを読んで、今まで特にGitを使う必要がないと思っていた人が、Gitに興味を持って使い始めて、Gitのメリットや恩恵を受けられるようになり、より効率よくプログラミング開発ができるようになれば嬉しく思います。