WordPressの環境構築の第4回で、WordPressのダウンロードからインストールについて説明しています。
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WordPress(ワードプレス)の環境構築について説明していきます。前回はWordPressの環境構築の第3回で、MariaDBのインストールをしました。
WordPress環境構築の第3回、MariaDB10.6(10.5)のインストール
今回はWordPress環境構築の第4回で、WordPressのインストールをしていきます。
■環境やインストールするバージョン情報です。
WordPress:6.0(2022/5/24時点の最新バージョン)、5.8(2021/11/3時点の最新バージョン)
->バージョンは6.0、5.8の2つで試しています。
ウェブサーバ:Apache2.4
PHP:7.4
MariaDB:10.5、10.6
試したOS環境は、ec2のAmazon Linux 2(64ビット(x86))とCentOS7.9の2つです。
・ec2
$ cat /etc/system-release
Amazon Linux release 2 (Karoo)
・CentOS7
$ cat /etc/redhat-release
CentOS Linux release 7.9.2009 (Core)
別ページでさくらインターネットのレンタルサーバ上でWordPress環境を構築する説明をしていますので、よろしければ参考にしてみてください。
さくらのレンタルサーバで独自ドメインでWordPressを始める
さくらのレンタルサーバは、WordPressのクイックインストール機能がありますし、Apache、PHP、MySQLなども最初からインストールされていて、基本的にセキュリティ面で注意したり、メンテナンスの手間をかける必要もないので、WordPress環境を手っ取り早く構築して始めたい人や、サーバやネットワークの知識があまりない初心者、入門者の人にもお勧めです。
まず、wgetでWordPress本体をダウンロードします。ダウンロードするバージョンが6.0(2022/5/24時点の最新バージョン)の場合です。
$ wget http://ja.wordpress.org/wordpress-6.0-ja.tar.gz
〜
2022-07-31 21:45:45 (5.85 MB/s) - `wordpress-6.0-ja.tar.gz' へ保存完了 [21973501/21973501]
$ ls
wordpress-6.0-ja.tar.gz
あまりやらないと思いますが、古いバージョンをダウンロードしたい時、例えば5.8.1(2021/11/3時点の最新バージョン)をダウンロードする場合、ファイル名の指定を5.8.1にします。
$ wget http://ja.wordpress.org/wordpress-5.8.1-ja.tar.gz
ちなみに最新版のWordPressをダウンロードしたい場合は、ファイル名latest.tar.gzをダウンロードします。
$ wget https://wordpress.org/latest.tar.gz
次に、ダウンロードしたファイルを、/var/www/htmlディレクトリに展開します。
$ sudo tar -xzf wordpress-6.0-ja.tar.gz -C /var/www/html
$ ls -l /var/www/html/
合計 8
-rw-r--r--. 1 root root 17 7月 31 21:26 hoge.php
drwxr-xr-x. 5 1006 1006 4096 7月 1 23:00 wordpress
$ ls /var/www/html/wordpress/
index.php wp-activate.php wp-comments-post.php wp-cron.php wp-load.php wp-settings.php xmlrpc.php
license.txt wp-admin wp-config-sample.php wp-includes wp-login.php wp-signup.php
readme.html wp-blog-header.php wp-content wp-links-opml.php wp-mail.php wp-trackback.php
/var/www/htmlディレクトリにwordpressディレクトリが置かれました。このwordpressディレクトリの中に、wordpress本体があります。
/var/www/hrmlにwordpress本体を置きたい場合は、ただコピーするだけでできます。
$ sudo cp -r /var/www/html/wordpress/* /var/www/html/
$ sudo rm -rf /var/www/html/wordpress
$ ls /var/www/html
hoge.php readme.html wp-blog-header.php wp-content wp-links-opml.php wp-mail.php wp-trackback.php
index.php wp-activate.php wp-comments-post.php wp-cron.php wp-load.php wp-settings.php xmlrpc.php
license.txt wp-admin wp-config-sample.php wp-includes wp-login.php wp-signup.php
あと、今のままだとWordPressのトップページのURLが「http://***.***.***.***/wordpress/」になります(***.***.***.***はIPアドレスです)。 このURLでもまったく問題ないですが、ここでは"wordpress"を"weblog"に変更してみます。
$ sudo mv /var/www/html/wordpress /var/www/html/weblog
$ ls -l /var/www/html/
合計 8
-rw-r--r-- 1 root root 17 10月 31 14:14 hoge.php
drwxr-xr-x 5 1006 1006 4096 9月 11 01:00 weblog
これでWordPressのトップページのURLが「http://***.***.***.***/weblog/」になります。
次に、WordPressの設定ファイルを編集して、前回の記事(WordPress環境構築の第3回、MariaDB10.6(10.5)のインストール)で作成したWordePress用のデータベースに接続できるように設定します。
WordPressのサンプル用のコンフィグファイル(wp-config-sample.php)をコピーします。
$ pwd
/var/www/html/weblog
$ sudo cp wp-config-sample.php wp-config.php
そして、コピーして作ったwp-config.phpファイルを以下のように編集します。
編集箇所は、WordPress用のデータベースの名前とそのデータベースに接続するユーザ/パスワードの3箇所です。
(*編集後のデータベース名、ユーザ名、パスワードは、WordPress用のデータベースを作成した時の名前に合わせています。)
・編集前(wp-config.php)
/** WordPress のためのデータベース名 */
define( 'DB_NAME', 'database_name_here' );
/** MySQL データベースのユーザー名 */
define( 'DB_USER', 'username_here' );
/** MySQL データベースのパスワード */
define( 'DB_PASSWORD', 'password_here' );
・編集後(wp-config.php)
/** WordPress のためのデータベース名 */
define( 'DB_NAME', 'wp-testdb' );
/** MySQL データベースのユーザー名 */
define( 'DB_USER', 'wp-testuser' );
/** MySQL データベースのパスワード */
define( 'DB_PASSWORD', 'wp-testpassword' );
ここでは、WordPress(Apacheウェブサーバ)とデータベースのMariaDBが同じサーバに入っているので、DBの接続先ホスト(DB_HOST)はlocalhostのままで良いですが、もしWordPressとデータベースが別サーバにある場合、DB_HOSTも編集する必要があります。
/** MySQL のホスト名 */
define( 'DB_HOST', 'localhost' );
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WordPressは.htaccessファイル(Apacheの設定ファイルの1つ)を使っています。例えば、実際にWordPressを使い始めてパーマリンクの設定を変更した場合、.htaccessファイルが自動的に出力されたり編集されます。
ただ、今のままだと.htaccessファイルの出力や編集ができない状態であるため(WordPressの個別記事にもアクセスできない)、この問題を解決するための設定を事前にしておきます。
まず、wordpress関連のディレクトリやファイルの所有者権限をapacheに変更します。
$ sudo chown -R apache:apache /var/www/html/weblog
-Rオプションは、指定したディレクトリ内のディレクトリやファイルの所有者を再帰的に変更するオプションですので、/var/www/html/weblog内すべてのディレクトリとファイルのユーザー所有者とグループ所有者がapacheになります。
$ ls -alht /var/www/html/weblog
合計 220K
drwxr-xr-x 5 apache apache 4.0K 10月 31 14:39 .
-rw-r--r-- 1 apache apache 4.0K 10月 31 14:39 wp-config.php
drwxr-xr-x 3 root root 36 10月 31 14:35 ..
-rw-r--r-- 1 apache apache 9.9K 9月 11 01:00 readme.html
-rw-r--r-- 1 apache apache 4.0K 9月 11 01:00 wp-config-sample.php
drwxr-xr-x 5 apache apache 69 9月 11 01:00 wp-content
drwxr-xr-x 25 apache apache 8.0K 9月 11 01:00 wp-includes
drwxr-xr-x 9 apache apache 4.0K 9月 11 01:00 wp-admin
-rw-r--r-- 1 apache apache 22K 6月 2 08:09 wp-settings.php
〜
これで、WordPressで何か.htaccessを変更するような設定をした場合、/var/www/html/weblog直下に.htaccessファイルが出力されたり編集されたりができるようになります。
ただ、これだけだと.htaccessファイルが置かれても、.htaccessファイルが有効にならないため、有効になるようにApacheの設定をする必要があります。
/etc/httpd/conf.d/wp.confファイルを新規作成して編集します。
$ cat /etc/httpd/conf.d/wp.conf
<Directory "/var/www/html/weblog">
AllowOverride All
</Directory>
もしくは、最初からある/etc/httpd/conf/httpd.confファイルの、<Directory "/var/www/html">内の"AllowOverride"を"None"から"All"に変更します。
・編集前
<Directory "/var/www/html">
〜
AllowOverride None
〜
</Directory>
・編集後
<Directory "/var/www/html">
〜
AllowOverride All
〜
</Directory>
編集が完了したら、Apacheを再起動します。
$ sudo systemctl restart httpd
これで、.htaccessファイルが置かれていれば、有効になるはずです。
それではブラウザからアクセスして、WordPressをインストールしていきます。
アクセスするURLは「http://***.***.***.***/weblog/」です(***.***.***.***はIPアドレスです)。
上手くいっていれば、下の画像のようなWordPressのようこそ画面が表示されるはずです。
(*URLは「http://***.***.***.***/weblog/wp-admin/install.php」にリダイレクトされます。)
ようこそ画面で、"サイトのタイトル"、"ユーザ名"、"パスワード"、"メールアドレス"、"検索エンジンでの表示"を入力したら、WorPressをインストールボタンを押します。
インストールが完了して問題なければ、成功しました!画面が表示されますので、ログインボタンを押します。
ログイン画面へ遷移するので、先程設定したユーザ名/パスワードを入力して、ログインボタンを押します。
(*ログイン画面のURLは、「http://***.***.***.***/weblog/wp-login.php」です。)
ログインすると、WordPressの管理画面(ダッシュボード)へ遷移します。
(*管理画面のURLは、「http://***.***.***.***/weblog/wp-admin/」です。)
この管理画面から、WordPressの設定変更や記事の新規投稿・編集ができます(左メニューバーの投稿や設定などを選択する)。
また、管理画面の上部ナビゲーションバーのサイトタイトルを選択すれば、作成したWordPressのトップページへ飛びます。
トップページのURLは「http://***.***.***.***/weblog/」です。
WordPress6.0のトップページ画面です。
WordPress5.8のトップページ画面です。
以上、4回にわたってコマンドラインからApache、PHP、MariaDB、WordPressをインストールしながら、WordPressの環境構築について説明してきました。とりあえずこれでWordPressを使える環境ができたと思います。
WordPressはブログやHPとして使う事ができますし、Webデザインの知識がなくてもテーマ(外観)の設定を変更する事で簡単にデザインを変更できますし、便利なプラグインなども多くありますし、また細かくカスタマイズする事もできます。
WordPressの使い方や設定などのカスタマイズについては、詳しく説明している本などが多くありますので、本を参考にしてください。
WordPressの環境構築が完了して、新しい外観(テーマ)を使おうとしてダッシュボード(管理画面)からテーマをアップロードした時に、「アップロードされたファイルがphp.iniのupload_max_filesizeディレクティブを越えています」や「辿ったリンクは期限が切れています」というエラーが出たり、テーマをインストール後にWordPressのサイト表示をして確認したら「このサイトで重大なエラーが発生しました」というエラーが出て、サイト自体が表示できなくなる場合があるかもしれません。
この2つのエラーについては別ページで説明していますので、そちらを参考にしてみてください。
WordPressでテーマを導入時、「アップロードされたファイルがphp.iniのupload_max_filesizeディレクティブを越えています」「辿ったリンクは期限が切れています」「このサイトで重大なエラーが発生しました」エラーが出た
これまでは自分でコマンドを駆使しながらApache、PHP、MariaDB、WordPressをインストールしてWordPress環境を構築しましたが、そいういう面倒を省いてとにかくもっと簡単にWordPressを使いたいという人は、レンタルサーバが提供するWordPressを利用するのが良いと思います。
レンタルサーバのWordPressなら、Webサーバ(Apache・nginx)、PHP、DB(MySQL・MariaDB)などは最初から入っていますし、WordPressのインストールも簡単にできます。
別ページでさくらのレンタルサーバでのWordPressの使い方について説明していますので、よければ参考にしてください。
さくらのレンタルサーバで独自ドメインでWordPressを始める
さくらのレンタルサーバのWordPressなら、WordPressを始めるまでが簡単なだけでなく、運用時もミドルウェアのセキュリティ対策やメンテナンスなどは基本的にレンタルサーバ側がやってくれるので、そういう手間もかからないしある程度安心してWordPressの運営に集中する事ができます。
他にもさくらのレンタルサーバなら、無料のでSSL化(URLをhttps://にする。Let’s Encryptを使う)や、常時SSL化(サイトのリダイレクト)も簡単に設定できるので、サーバやネットワークの知識があまりない初心者はもちろん、とにかくWordPressを手っ取り早く始めて運用でも手間をかけたくない経験者の人にもオススメです。また、料金も定額で格安なプランがあるのでコストパフォーマンスの面でも得だったりします。