WordPressの環境構築の第1回で、Apache2.4のインストールなどについて説明しています。第2回以降で、PHP,MariaDB,WordPressのインストールについて説明していきます。
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ここでは、WordPress(ワードプレス)の環境構築の手順について説明しています。Apache、PHP、MariaDB、そしてWordPressを全てコマンドからインストールしてWordPress環境を作っていきます。
試した環境は、AWSのec2(Amazon Linux 2)とCentOS7の2つです。この2つの環境ではほとんど同じようにできますが、PHPやMariaDBのインストールの部分が少し異なるので、それぞれの環境でのインストール手順について説明しています。
■環境やインストールするバージョン情報です。
WordPress:6.0(2022/5/24時点の最新バージョン)、5.8(2021/11/3時点の最新バージョン)
->バージョンは6.0、5.8の2つで試しています。
ウェブサーバ:Apache2.4
PHP:7.4
MariaDB:10.5、10.6
試した2つのOSのバージョンです。
・ec2(Amazon Linux 2、64ビット(x86))
$ cat /etc/system-release
Amazon Linux release 2 (Karoo)
・CentOS7.9
$ cat /etc/redhat-release
CentOS Linux release 7.9.2009 (Core)
ec2(Amazon Linux 2)環境についてはWordPressの環境構築の説明にフォーカスしているので、VPC、セキュリティグループ、SSH接続などについては説明していません。ですので、この辺の知識が前提となっています。
最初にyum updateしておきます。
$ sudo yum update
〜
次に、timedatectlコマンドでシステムの時刻設定をUTCからJST(日本時刻)に設定します。
$ date
2021年 10月 27日 水曜日 08:34:45 UTC
$ timedatectl status
Local time: 水 2021-10-27 08:40:22 UTC
Universal time: 水 2021-10-27 08:40:22 UTC
$ #タイムゾーンをAsia/Tokyoに設定
$ sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
$ date
2021年 10月 27日 水曜日 17:41:27 JST
$ timedatectl status
Local time: 水 2021-10-27 17:41:32 JST
Universal time: 水 2021-10-27 08:41:32 UTC
次に、ec2(Amazon Linux2)環境でEPELリポジトリを追加します。CentOS7環境の場合は、こちらの方を参考にしてください。
ここでEPELを追加しなくても今回の目的であるWordPress環境を構築する事はできると思います。ですのでEPELは必要ないという方は、ここを無視してApache2.4のインストールまで飛んでそこから読み進めてください。
現状のリポジトリです。
$ ls /etc/yum.repos.d/
amzn2-core.repo amzn2-extras.repo
$ yum repolist
読み込んだプラグイン:extras_suggestions, langpacks, priorities, update-motd
リポジトリー ID リポジトリー名 状態
!amzn2-core/2/x86_64 Amazon Linux 2 core repository 26,556
amzn2extra-docker/2/x86_64 Amazon Extras repo for docker 50
repolist: 26,606
〜
yum repolistコマンドは有効なリポジトリ一覧を確認できます。有効・無効関わらずリポジトリ一覧を確認したい場合はallオプションをつける「$ yum repolist all」
それではEPELリポジトリを追加します。Amazon Linux2でEPELリポジトリを追加する場合、yum installコマンドではなく、amazon-linux-extrasコマンドを使います。
$ sudo amazon-linux-extras install epel
Installing epel-release
〜
=======================================================================================================
Package アーキテクチャー バージョン リポジトリー 容量
=======================================================================================================
インストール中:
epel-release noarch 7-11 amzn2extra-epel 15 k
〜
インストールできました。再度リポジトリを確認してみます。
$ ls /etc/yum.repos.d/
amzn2-core.repo amzn2-extras.repo epel-testing.repo epel.repo
$ yum repolist
読み込んだプラグイン:extras_suggestions, langpacks, priorities, update-motd
209 packages excluded due to repository priority protections
リポジトリー ID リポジトリー名 状態
amzn2-core/2/x86_64 Amazon Linux 2 core repository 26,556
amzn2extra-docker/2/x86_64 Amazon Extras repo for docker 50
amzn2extra-epel/2/x86_64 Amazon Extras repo for epel 1
epel/x86_64 Extra Packages for Enterprise Linux 7 - x86_64 13,479+209
repolist: 40,086
ちゃんとEPELリポジトリが追加されています!
EPELリポジトリの追加ができたら、次はApache2.4のインストールです。
CentOS7環境でEPELリポジトリを追加します。ec2(Amazon Linux2)環境の場合は、こちらの方を参考にしてください。
現状のリポジトリです。
$ ls /etc/yum.repos.d/
CentOS-Base.repo CentOS-Debuginfo.repo CentOS-Sources.repo CentOS-fasttrack.repo
CentOS-CR.repo CentOS-Media.repo CentOS-Vault.repo CentOS-x86_64-kernel.repo
$ yum repolist
〜
リポジトリー ID リポジトリー名 状態
base/7/x86_64 CentOS-7 - Base 10,072
extras/7/x86_64 CentOS-7 - Extras 500
updates/7/x86_64 CentOS-7 - Updates 2,936
repolist: 13,508
〜
それでは、yumでEPELリポジトリを追加します。
$ sudo yum install epel-release
〜
インストール:
epel-release.noarch 0:7-11
完了しました!
インストールできたので、再度リポジトリを確認してみます。
$ ls /etc/yum.repos.d/
CentOS-Base.repo CentOS-Debuginfo.repo CentOS-Sources.repo CentOS-fasttrack.repo epel-testing.repo
CentOS-CR.repo CentOS-Media.repo CentOS-Vault.repo CentOS-x86_64-kernel.repo epel.repo
$ yum repolist
〜
リポジトリー ID リポジトリー名 状態
base/7/x86_64 CentOS-7 - Base 10,072
epel/x86_64 Extra Packages for Enterprise Linux 7 - x86_64 13,689
extras/7/x86_64 CentOS-7 - Extras 500
updates/7/x86_64 CentOS-7 - Updates 2,936
repolist: 27,197
ちゃんとEPELリポジトリが追加されています!
次は、Apacheのインストールです。WordPressはWebサーバのApache・Nginxのどちらも使う事が可能ですが、ここではApacheをインストールしていきます。
Apacheのインストール方法は、ec2環境(Amazon Linux2)、CentOS7環境のどちらも同じです。yumでインストールできます。
$ sudo yum install httpd
〜
インストール:
httpd.x86_64 0:2.4.51-1.amzn2
依存性関連をインストールしました:
apr.x86_64 0:1.7.0-9.amzn2 apr-util.x86_64 0:1.6.1-5.amzn2.0.2 apr-util-bdb.x86_64 0:1.6.1-5.amzn2.0.2
generic-logos-httpd.noarch 0:18.0.0-4.amzn2 httpd-filesystem.noarch 0:2.4.51-1.amzn2 httpd-tools.x86_64 0:2.4.51-1.amzn2
mailcap.noarch 0:2.1.41-2.amzn2 mod_http2.x86_64 0:1.15.19-1.amzn2.0.1
完了しました!
インストールできました!バージョンは2.4です。
$ #Amazon Linux2環境
$ httpd -v
Server version: Apache/2.4.51 ()
$ #CentOS7環境
$ httpd -v
Server version: Apache/2.4.6 (CentOS)
systemctlコマンドでApacheを起動します。
$ systemctl status httpd
● httpd.service - The Apache HTTP Server
Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/httpd.service; disabled; vendor preset: disabled)
Active: inactive (dead)
Docs: man:httpd.service(8)
$ #Apacheを起動する
$ sudo systemctl start httpd
$ systemctl status httpd
● httpd.service - The Apache HTTP Server
Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/httpd.service; disabled; vendor preset: disabled)
Active: active (running) since 木 2021-10-28 20:08:51 JST; 39s ago
〜
Apacheを起動しました。これでWebアクセスできるようになります。
確認のため、ブラウザのURLにサーバのIPアドレスを入力します。問題なければ下のようなApacheのテストページ(Amazon Linux2環境)が表示されるはずです。
もしくはこんな画面です(CentOS7環境)。
あと、サーバ自体を再起動した時に、Apacheが起動するように設定しておきます。
$ systemctl is-enabled httpd
disabled
$ #サーバ自体再起動した時にApacheも起動するように設定する
$ sudo systemctl enable httpd
Created symlink from /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/httpd.service to /usr/lib/systemd/system/httpd.service.
$ systemctl is-enabled httpd
enabled
今回は、WordPressの環境構築の第1回としてEPELリポジトリの追加やApache2.4のインストールについて説明してきました。
次回は、PHP7.4のインストールについて説明していきます。
WordPress環境構築の第2回、PHP7.4のインストール(Amazon Linux2(ec2),CentOS7)