2020年のPC(パソコン)の出荷台数はかなり好調でした。好調な要因を見ると、子供の頃からPCを使いこなすITリテラシーの高い世代が初めて日本で生まれてくるかもしれないと感じさせられます。
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2021年に入り、昨年のPC(パソコン)の売上や販売台数がふと気になって調べてみたのですが、世界的にかなり好調だったようです。
2020年度パーソナルコンピュータ国内出荷実績(JEITA)
11月のノートPC出荷96%増 20年は過去最高水準に(2020年12月22日)
世界のPC出荷が13%増、この10年で最大の伸び--第3四半期に(2020年10月13日)
新型コロナによってPCの出荷台数が過去10年で最高の伸びを記録(2020年10月12日)
リンク先の記事のデータを見ると、2020年のすべてのデータがまだ出ているわけではないですが、ノートPCの出荷台数が相当好調のようです。一方、デスクトップPCは、2019年がWindwosOSのリプレース需要で好調だったため、その反動で大きく落ち込んだようです。それにクラウド時代なので、固定のデスクトップPCより持ち運びのノートPCの方が人気があるというのもあると思います。
ここでは、世界的に好調だった2020年のPC市場ですが、日本のPC市場に絞ってちょっと見ていきたいと思います。
JEITAのデータを見ると、国内もノートパソコンが好調です。日本は2019年10月に消費税を増税したので、増税前の駆け込み需要を考慮したら2020年9月は前年比で落ち込むと思っていましたが、ノートPCは国内出荷台数は前年比161.2%の133.4万台と大きく伸びていました。そして、2020年10月は前年比126.7%の68.8万台、直近の2020年11月は前年比196.3%の106.1万台と好調を維持しています。
ちなみに、2019年のPCの出荷台数についてですが、上でも触れましたがWindwosOSのリプレースの影響でかなり好調だったようですから、2020年も好調を維持したのは予想外だったのではと考えています。
2019年度パーソナルコンピュータ国内出荷実績(JEITA)
2020年も好調だった要因はいくつかありそうですが、まずは小中学校のICT化が進み、生徒1人1台のパソコン時代がきている事が大きかったようです。 また、新型コロナによって在宅勤務や家で過ごす時間が増えた事により、ノートPCの需要が拡大したのも大きな要因だと思います。
小中学生の生徒1人1台のパソコン時代のおかげでノートPCの出荷台数が増加した事は、日本固有の事情だと思います。
スマートフォンが登場してからは、子供もスマホを1台持つのが当たり前の時代になりましたが、その頃からPCの需要は緩やかに落ち込んでいきました。ただ、データを見てもその流れが大きく変わってきている事が感じられます。
今までの子供たちはPCは使わずにスマホを使って育ってきましたが、今後は子供の頃からPCに慣れ親しんで、PCを使いこなす世代が日本で初めて生まれてくる事になりそうです。
スマートフォンとパソコンでは、やはり役割が大きく異なります。スマホは情報をインプットする事が主な使われ方です。
動画やウェブサイトを見る、アプリを使う、ゲームをするという使い方が多いと思います。スマホでも色々な事を調べたり、文章を書いたりする事ができますが、本気で何かを調べたり資料を作ったりとなるとパソコンの方が効率良くできると思います。
それに、パソコンはプログラミングをしたり動画編集をしたりと、アウトプットやサービスを開発するためのツールになります。スマホでもプログラミングの動画を見る事はできますが、プログラミングスキルを身につけるためには自分で手を動かしてコードを書く事が重要だと思いますので、そのためにはやはりパソコンが必須です。
将来(5~10年後)、ウェブ知識やプログラミングスキルがあるITリテラシーの高い世代が社会に出てくると思いますので、とても楽しみではありますね。
小中学生の話をしましたが、大人・社会人にとってのパソコンの需要はどうでしょうか
2020年はコロナ下でリモートワークや在宅勤務などが進みました。また、仕事以外の余暇時間でも家で過ごす事が増えたためにPCを購入したという人もそれなりにいるのではと思います。
そして、PCを購入して家で過ごす時間が増えたなら、PCで何かをしようと思うのが普通です。最初に示したデータではノートPCの出荷台数などが好調というデータだけで、家庭でPCをどう使っているかまでの詳細は書いてありませんでしたが、恐らく今後のことも考えて、プログラミング学習を始めてITスキルを磨いたり、家でPCを使ってできる副業を始める事を検討する人が増えてもおかしくないと思います。
そもそもIT業界では、コロナ前からITエンジニアの人材不足の話題はよくありました。
データから読み解くITエンジニア人材不足問題の動向、そして将来予測
ITエンジニア、プログラマの今後の需要、IT人材不足問題
将来、長期的に見ればIT業界が拡大していき、それに合わせてプログラマなどのITエンジニアの需要も増加し、IT人材不足の問題が起こる可能性があるという話です。そうなってくるとやはり、プログラマなどのIT関連の仕事をする人達にとってパソコンは必須な物ですから、今後長期的に見てもPCの需要は一定数あり続ける可能性が高いと思います。
2021年はどんな年になるかはまだ分かりませんが、もしコロナが落ち着かなければリモートワークや在宅勤務が定着して、ノートPCの出荷台数や売上は2020年に続いて好調を維持する事が予測できます。
そして、長期的に見ればコロナに関係なく、PCを使えてITリテラシーの高い子供が成長して社会に出ていき、そうなると社会人にもPCを使えるITスキルを持った人材が当たり前のように求められるようになる可能性もあります。また、IT人材不足の状態が続けば、ITスキルを持った人は貴重な人材になるでしょう。
一昔前は、これからはスマホがあれば十分、PCは廃れていくみたいな事を言われていた時代もありましたが、最近の社会の動きを見ているとどうもそうはならない気がします。もちろん、スマホはスマホで便利ですが、スマホは見たり調べたりする物、PCは何か物やサービスを作るための物と棲み分けができていますので、PCを使ったITスキルはより強い武器になると思います。